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不動産鑑定評価基準
総論
第1章
不動産の鑑定評価に関する基本的考察
第2章
不動産の種別及び類型
第3章
不動産の価格を形成する要因
第4章
不動産の価格に関する諸原則
第5章
鑑定評価の基本的事項
第6章
地域分析及び個別分析
第7章
鑑定評価の方式
第8章
鑑定評価の手順
第9章
鑑定評価報告書
各論
第1章
価格に関する鑑定評価
第2章
賃料に関する鑑定評価
第3章
証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価
留意事項
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平成21年不動産鑑定士試験論文式問題 民法 100点満点/2時間

問題1(50点)

 Aは、延べ床面積30坪以上の自宅を建築できる宅地をS市内で物色していたところ、宅地建物取引業者であるB会社(以下「B」)が本件土地を所有することを知り、購入に向けて交渉に入った。Bの本件土地の広告には、「公簿99平方メートル(30坪)、価格2,040万円、3.3平方メートル単価68万円」との記載があった。Aが値引きを交渉したところ、Bは、坪単価を65万円に値下げした。
 そこで、Aは、Bとの間で本件土地について売買契約を締結した。その契約書には、目的物件の表示として、公簿面積欄には99平方メートルと記載されていたが、実測面積欄は空欄であった。本件売買契約に先立ち、AがBに対して本件土地の実測図面を要求したところ、Bは、本件土地の面積が99平方メートルである旨が記載された公図の写しをAに交付したのみであった。しかし、不動産取引について全くの素人であるAは、この図面で本件土地の実測面積が99平方メートルあることが確認されたと考え、それ以上に実測図面を要求しなかった。
 本件売買契約に際してBがAに交付した重要事項説明書には、本件土地の地積として、「登記簿99平方メートル(30坪)」との記載はあったが、実測面積の欄は空欄であった。また、同説明書の建築基準法に基づく制限の概要欄には、本件土地の建築面積の限度として、「敷地面積99平方メートル×60%=59.4平方メートル」、本件土地上の建物の延べ床面積の限度として、「敷地面積99平方メートル×100%=99平方メートル」との各記載があった。また、本件売買契約の契約書には、売買物件の表示として、「末尾記載の通りとしすべて面積は公簿による。」との条項があるが、Bからはその文言の意味の説明はなかった。
 その後、本件土地について、BからAに移転登記がなされ、Aは、そのころ売買代金全額を支払い、本件土地について、引き渡しを受けた。
 Aは、住居を新築するために土地家屋調査士に依頼して本件土地を測量したところ、その実測面積が82.5平方メートルであって、本件売買契約書に表示された面積99平方メートルに16.5平方メートル不足することが判明した。
 上記の設例について、次の問いに答えなさい。なお、Bの行為が宅地建物取引業法に違反するか否かなど、同法の規定から生ずる問題については、考慮する必要はない。
(1)Aは、希望する広さの建物を建築することができないことが判明したため、本件売買契約の意思表示に錯誤があったとして、その無効を主張したいと考えている。この主張の可否について、Bの反論を踏まえて論じなさい。((2)及び(3)の結論にかかわらず、独立して論じなさい。)。
(2)Aは、希望する広さの建物を建築することができないことが判明したため、Bの本件売買契約の売主としての債務不履行責任を追及したいと考えている。この主張の可否について、Bの反論を踏まえて論じなさい((1)の結論にかかわらず、独立して論じなさい。)。
(3)Aは、希望する広さの建物を建築することができないことが判明したため、Bの数量の不足の場合の売主の担保責任を追及し、本件売買契約の解除を主張したいと考えている。この主張の可否について、Bの反論を踏まえて論じなさい((1)の結論にかかわらず、独立して論じなさい。しかし、(2)との関係には留意しなさい。)。

(参考)民法
 (権利の一部が他人に帰属する場合における売主の担保責任)
第563条 売買の目的である権利の一部が他人に帰属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。

3 代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠の請求をすることを妨げない。
第564条 前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ1年以内に行使しなければならない。
 (数量の不足又は物の一部の滅失の場合における売主の担保責任)
第565条 前2条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。

問題2(50点)

A・B夫婦が甲土地を所有し、同土地上に夫Aが妻Bの承諾を得て乙建物を建築して所有していたところ、2005年1月に、AがCから融資を受けるに際して、Aを債務者、Cを抵当権者として、甲土地のAの共有持分権及び乙建物について共同抵当権(以下「α抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた。
その後、2007年1月に、Aが死亡して、B及びA・B間の子Dが相続人となったが、Aは、遺言で、甲土地の自己の共有持分権はBに与え、乙建物はBとDの共有とする旨の遺産分割の方法を指定した(その後、これらに応じた登記がなされた。)。Aの死亡後は、乙建物にはBとDが居住して甲土地を占有している。その後、2008年1月に、BがEから融資を受けるに際して、Bを債務者、Eを抵当権者として、甲土地について抵当権(以下「β抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がなされた。ところで、α抵当権については、2009年1月に、B及びDが被担保債権を弁済したために消滅し、同抵当権登記の抹消登記がなされた。その後、β抵当権がEにより実行され、同年6月に、X2が競売により甲土地を買い受けてその所有権を取得し現在に至っている。
 上記設例について、次の問いに答えなさい。なお、記述に当たっては、α抵当権及びβ抵当権の語を用いなさい。

(1)仮に、2007年10月に、Cによりα抵当権が実行され、X1が買受人となった場合において、①X1が、B及びDに対して乙建物の明渡しを請求することができるかについて簡潔に述べなさい。、また、②X1が甲土地を自己の単独所有とするためにBに対して請求する法的手段として考えられるものを挙げ、それについて簡潔に説明しなさい(当該法的手段の是非について論述する必要はない。)。なお、(2)において、ここで仮定した場合を考慮してはならない。

(2)①X2は、B及びDに対して、どのような法的請求をすることが考えられ、これに対して、B及びDは、どのような主張をすることが考えられるかを述べた上で、②どちらの請求ないし主張が妥当であるかについて論述しなさい。なお、(1)において、ここで仮定した場合を考慮してはならない。

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