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平成21年不動産鑑定士試験論文式問題 不動産の鑑定評価に関する理論
200点満点/4時間 |
問題1(50点)
配分法について、次の問に答えなさい。
(1)配分法の意義と適用に当たっての一般的留意点について、それぞれ述べなさい。
(2)戸建住宅である「自用の建物及びその敷地」について、配分法を適用して土地価格を導出する場合の留意点について具体的に述べなさい。
(3)「貸家及びその敷地」について、配分法を適用して土地価格を導出することの適否とその理由について述べなさい。
問題2(50点)
借地権付建物の鑑定評価について次の問いに答えなさい。
(1)①借地権付建物で当該建物が賃貸に供されている場合の鑑定評価額の決定はいかになすべきか説明しなさい。なお、定期借地権は考慮外とする。
②①の鑑定評価を行う場合において、総合的に勘案すべき事項を5つ挙げ、なぜ勘案すべきかをそれぞれ説明しなさい。
(2)(1)①の鑑定評価に当たり、付与された下記の資料から必要なものを選択し、計算過程を記載して、収益価格を試算しなさい。なお、定期借地権は考慮外とする。
<資料>
建物の賃貸借に係る保証金の運用益(年額)※1: 1,000,000円
(※1 この保証金は、預り金的性格を有する一時金である。)
建物還元利回り: 10%
空室等による損失相当額(年額): 1,000,000円
土地価格: 100,000,000円
借地権還元利回り: 6%
公租公課(年額): 650,000円
(内訳:土地250,000円、建物400,000円)
建物価格: 50,000,000円
建物修繕費(年額): 400,000円
建物の賃貸借に係る権利金の運用益及び償却額(年額)※2: 3,000,000円
(※2 この権利金は、賃料の前払的性格を有する一時金である。)
建物維持管理費(年額): 300,000円
建物の賃料(年額): 9,000,000円
土地還元利回り: 5%
地代(年額): 600,000円
損害保険料(建物の火災保険。年額): 300,000円
借地権価格: 50,000,000円
問題3(50点)
下記の業務高度商業地域に存する自用の建物及びその敷地の鑑定評価について、次の問いに答えなさい
<対象不動産の概要>
・土地 敷地面積約2,000㎡
・建物 鉄骨造地下1階付16階建て事務所、延べ床面積約23,000㎡、築後約3年
・用途 全国に事業所網を有する企業グループの本社ビル
<依頼目的>
売却の検討のため
(1)同一需給圏内における市場参加者の属性及び行動について述べた上で、対象不動産に係る典型的な市場参加者を判定しなさい。
(2)(1)で判定した典型的な市場参加者を踏まえ、試算価格の調整における各試算価格が有する説得力に係る判断について、各試算価格ごとに述べなさい。ただし、各手法の適用において採用した資料の特性及び限界からくる相対的信頼性については、考慮しないものとする。
問題4(50点)
証券化対象不動産の鑑定評価について、次の問いに答えなさい。
(1)証券化しようとする不動産の保有者から、特定目的会社(依頼者)が不動産を取得する目的で、譲渡資産の運用受託者のほか、特定目的会社への資金貸付けや出資等を行う証券化関係者がいる場合の証券化スキームについて、1例、図を用いて説明しなさい。
(2)証券化対象不動産の鑑定評価書について、依頼者のみならず証券化対象不動産に係る利害関係者その他の者に対しても説明責任を十分に果たすべきとされる意義とその理由について、説明しなさい。 |
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