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不動産鑑定評価基準
総論
第1章
不動産の鑑定評価に関する基本的考察
第2章
不動産の種別及び類型
第3章
不動産の価格を形成する要因
第4章
不動産の価格に関する諸原則
第5章
鑑定評価の基本的事項
第6章
地域分析及び個別分析
第7章
鑑定評価の方式
第8章
鑑定評価の手順
第9章
鑑定評価報告書
各論
第1章
価格に関する鑑定評価
第2章
賃料に関する鑑定評価
第3章
証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価
留意事項
不動産鑑定評価基準運用上の留意事項


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平成21年不動産鑑定士試験論文式問題 不動産の鑑定評価に関する理論(演習問題)
100点満点/2時間

問題(100点)

 別紙2[資料等]に記載の不動産(Ⅱ.対象不動産)について、別紙1[指示事項]及び別紙2[資料等]に基づき、不動産の鑑定評価に関する次の問いに答えなさい。

問1 対象不動産を確定しなさい。
問2 原価法による試算価格を求めなさい。
問3 取引事例比較法による試算価格をもとめなさい。
問4 収益還元法による試算価格を求めなさい。
問5 問2、問3及び問4えで求めた試算価格を調整して、対象不動産の鑑定評価額を決定しなさい。また、試算価格の調整に当たっては、本件鑑定評価の手順の各段階について、客観的、批判的に再吟味しその結果を踏まえた各試算価格が有する説得力の違いを適切に反映させることにより、本件鑑定評価に即して調整の過程を具体的に述べなさい。


別紙1[指示事項]
Ⅰ.共通事項
1.問2及び問3における各手法の適用の過程で求める数値は、別に指示がある場合を除き、小数点以下1位を四捨五入し、整数で求めること。ただし、試算価格、公示価格との規準による価格及び鑑定評価額については、上4桁目を四捨五入して上3桁を有効数字として求めること。
(例)1,234,567円→1,230,000円

2.取引事例等における価格等には消費税及び地方消費税は含まれておらず、計算の過程においても消費税及び地方消費税は含めないで計算すること。

3.対象不動産及び取引事例等については、土壌汚染及び埋蔵文化財に関して価格形成に影響を与えるものは何ら存しないことが判明している。また、対象不動産及び取引事例等の建物部分には、いずれも有害物質使用調査が実施されていて、アスベスト、PCB等の有害物質は使用又は貯蔵されていないことが確認されている。

4.土地及び建物の数量は、土地登記簿[全部事項証明書]及び建物登記簿[全部事項証明書]に記載されているものによること。

5.本件対象不動産は、所有者(法人)が本社事務所として自己使用しており、不動産鑑定評価基準各論第3章の証券化対象不動産ではない。よって、同章の規定は適用せずに鑑定評価を行うものとすること。

Ⅱ.問1について
 対象不動産の確定に際しては、不動産鑑定評価基準の規定に従い、整理して記述すること。

Ⅲ.問2について
1.建物及びその敷地の再調達原価
(1)土地価格の試算
①土地価格は取引事例比較法を適用して求めること。
②別紙2[資料等]「ⅩⅡ.対象不動産及び事例資料等の概要」に記載の事例を用いて、比準価格を求めること。なお、取引事例の選択要件を挙げ、不動産鑑定評価基準に照らして不採用とすべき事例があれば、その事例番号及び不採用とする理由を記載すること。
③事例の事情その他の内容は、別紙2[資料等]「ⅩⅡ.対象不動産及び事例資料等の概要」等の記載事項により判断すること。
④取引事例が建物及びその敷地の場合には、配分法を用いて、更地に係る事例資料を求めた上で比準すること。(建物の資料は別紙2[資料等]「ⅩⅡ.対象不動産及び事例資料等に概要」の「3.取引事例等に係る建物の概要」によること。)。
⑤比準価格を求める場合の計算式と略号は、次のとおりである(基準値を100とする)。

               
取引事例における土地価格(更地としての価格((総額)  100
×  価格時点の地価指数



×
 100
× 100
× 対象地の個別的要因に係る評点

× 対象地の面積

手法適用により求めた価格 
  取引事例の取引事情に係る補正率   取引時点の地価指数 取引事例の個別的要因に係る評点   取引事例の存する地域の地域要因に係る評点     100   取引事例の面積     
各項の意味と略号
事:事情補正                   地:地域要因比較
時:時点修正                   個:対象地の個別的要因の格差修正
標:取引事例の個別的要因の標準化補正  面:面積の比較

⑥公示価格を規準とした価格を求める場合の計算式と略号は次のとおりである(基準値を100とする)。

               
公示価格 ×  価格時点の地価指数


×
 100
× 100
× 対象地の個別的要因に係る評点

× 対象地の面積
公示価格を規準とした価格 
    公示価格の価格時点の地価指数 公示地の個別的要因に係る評点   公示地の存する地域の地域要因に係る評点     100      
各項の意味と略号                            
時:時点修正                   地:地域要因比較
標:公示地の個別的要因の標準化補正  個:対象地の個別的要因の格差修正

⑦地価指数の計算上の留意点は次のとおりである。
ⅰ地価指数の計算における経過期間(月数)の算定については、次の例のとおり、起算日(即日)の属する月を含めず、期間の末日(当日)の属する月を含めて計算すること。
(例)平成21年3月31日から平成21年8月1日までの期間の月数は、5ヶ月
   平成21年4月 1日から平成21年8月1日までの期間の月数は、4ヶ月

ⅱ地価指数は、別紙2[資料等]「ⅩⅢ.地価指数、標準建築費指数及び賃貸事務所の新規賃料指数の推移」により求め、少なくとも一つの取引事例について地価指数の計算過程を明らかにすること。地価指数計算上の特定の時点の指数は、次の例のとおり求めることとし、小数点以下2位を四捨五入し、小数点以下1位まで求めること。
(例)平成21年1月1日の指数を100、平成21年7月1日の指数を102として、取引時点である平成21年5月15日の指数を求める場合

  

[

平成21年7月1日の指数(102)

-  


]

×  
平成21年1月1日~平成21年5月15日の月数(4)

+ 


}  

× 
平成21年1月1日の指数(100)
平成21年1月1日の指数(100)
平成21年1月1日~平成21年7月1日の月数(6) 
   =求める時点の指数(101.3)
(小数点以下2位を四捨五入)

(2)建物価格の試算
①建物の再調達原価を求めるに当たっては、直接法及び間接法を併用すること。なお、直接法については、実際に要した建築工事費を標準建築費指数で時点修正する方法(変動率適用法)を採用し、間接法については、類似性の高い建設事例に比準して求めること。建築費指数は、別紙2[資料等]「ⅩⅢ.地価指数、標準建築費指数及び賃貸事務所の新規賃料指数の推移」により求めること。
②建物の再調達原価を建設事例から比較して求める場合の計算式と略号は次のとおりである(基準地を100とする)。

         
建設事例の建築工事費(総額) ×  100
価格時点の建築費指数


×
対象建物の個別的要因に係る評点

× 対象建物の延床面積

手法適用により求めた再調達原価
    建設事例の契約事情に係る補正率 建築時点の建築費指数 建設事例の個別的要因に係る評点   建設事例の延床面積    
各項の意味と略号                            
事:事情補正         個:各建物の個別的要因の格差修正
時:時点修正         面:面積の比較

2.対象不動産の積算価格について
(1)建物及びその敷地の積算価格は、建物及びその敷地の再調達原価に減価修正を行って求めること。この場合、建物の減価の程度は、おおむね径年相応とすること。
(2)建物の主体(本体)部分の耐用年数は45年、設備部分の耐用年数は15年とし、償却の方法はいずれも定額法を採用し、残価率は0とすること。また、建物の主体部分と設備部分の構成割合は70:30とすること。

Ⅳ.問3について
1.収益還元法の適用に際しては、直接還元法を採用すること。
2.対象不動産の賃料は、賃貸事例比較法により求めること。この場合、別紙2[資料等]「ⅩⅡ.対象不動産及び事例資料等の概要」の「2.賃貸事例の概要」のうち、事例(あ)~(う)より、類似性の高い事例に比準して、基準階における適正賃料を求めること。いずれの賃貸事例もその契約内容は賃貸事例が所在する地域における標準的なものであり、各建物においても標準化補正の必要のない標準的なものである。
3.賃貸事例比較法の適用の際に用いる計算式と略号は次のとおりである(基準値を100とする)。

               
賃対事例の月額実質賃料(総額) 100
×  価格時点の賃料指数



×
 100
× 100
× 対象不動産の基準階の建物品等に係る評点

× 対象不動産の基準階の賃貸可能面積

手法適用により求めた賃料 
  賃貸事例の賃貸事情に係る補正率   賃貸時点の賃料指数 賃貸事例の個別的要因に係る評点   賃貸事例の存する地域の地域要因に係る評点    賃貸事例の基準階の建物品等に係る評点   賃貸事例の契約面積     
各項の意味と略号
事:事情補正                   地:地域要因の比較
時:時点修正                   品:基準階の建物品等に係る格差修正
標:賃貸事例の個別的要因の標準化補正  面:面積の比較

4.当該建物を賃貸借に供した場合の対象不動産の総収益(年額)を求めるに当たっては、次のとおり想定すること。
(1)賃貸可能面積は、別紙2[資料等]「Ⅱ.対象不動産」に記載する賃貸可能面積を採用すること。
(2)共益費は、すべて実費相当額を徴収するものとし、実質的に賃料に相当する部分はないものとすること。
(3)賃貸部分の光熱費は、子メータにより計測して、実費相当分を徴収するものとし、実質的に賃料に相当する部分はないものとすること。
(4)駐車場は10台分あり、月額使用料20,000円/台(現在の近隣地域における標準的な水準である。)、敷金の額は、月額使用料の1ヶ月分とすること。
(5)一時金の運用利回りは、年2.0%とすること。上記以外のその他収入は、一切発生しないものとする。

5.4.の場合における対象不動産の総費用(年額)を求めるに当たっては、次のとおり想定すること。
(1)修繕費は、建物再調達原価の1%相当額とすること。
(2)維持管理費は、年額実質賃料(駐車場使用料を含む。)の3%相当額とすること。
(3)公租公課(固定資産税及び都市計画税)の実額は、土地建物の合計で15,000,000円(年額)とすること。
(4)損害保険料は、建物再調達原価の0.1%相当額とすること。
(5)貸倒れ準備費は、想定する賃借人の状況等を勘案した結果、計上しないものとする。
(6)空室等による損失相当額は、総収益の1/12とすること。

6.還元利回りを求めるに当たっては、「類似の不動産の取引事例との比較から求める方法」、「借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法」及び「土地と建物に係る還元利回りから求める方法」から求めるものとし、ここでは三者の平均値を持って決定すること。
(1)「類似の不動産の取引事例との比較から求める方法」の適用に当たっては、選択することが妥当と判断される取引事例の中から選択して純収益を求め、当該純収益を取引価格で除して取引利回りを求めること。
(2)取引利回りについては、一定期間内の取引について、用途ごと、地域ごとにほぼ一定の利回りであることが実態調査から判明しており、求められた取引利回りにより、「類似の不動産の取引事例との比較から求める方法」の還元利回りとすること。なお、当市内では地域別の利回りの品等格差は認められず、また、本年に入ってからは変動はないものとすること。
(3)「借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法」の適用に当たっては、次のB市における賃貸用事務所ビルの取引における標準的な借入金割合等を適用すること。
○借入金割合 60%
○借入金還元利回り 4.0%
○自己資金還元利回り 10.0%
(4)「土地と建物に係る還元利回りから求める方法」の適用に当たっては、土地の還元利回りは4.5%、建物の還元利回りは7.0%とする。土地・建物の割合は積算価格算定に当たり求めた各々の再調達原価における両者の割合により求めること。
(5)求める還元利回りは、百分率(%)で表示し、小数点以下2位を四捨五入して、小数点以下1位まで求めること。

Ⅴ.問4について
 不動産鑑定評価基準に従って、試算価格を調整しなさい。また、鑑定評価額の決定に当たっては、各試算価格の再吟味及び各試算価格が有する説得力に係る判断にも言及しなさい。

別紙2[資料等]
Ⅰ.依頼内容
 本件は、「B駅」の南方約420mにある事務所ビル(対象不動産)について、売買の参考として、平成21年8月1日時点の現状での経済価値の判定のため、不動産鑑定士に鑑定評価を求めたものである。

Ⅱ.対象不動産
(1)土 地 所在及び地番 A県B市C1丁目1番1
       地      目 宅 地
       地      積 800.00㎡(土地登記簿[全部事項証明書]記載数量)
(2)建 物 所      在 A県B市C1丁目1番地1
       家 屋 番 号 1番1
       構 造・用 途 鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地上8階建て事務所
       建築 年 月 日  平成7年8月1日
       床  面  積  (建物登記簿[全部事項証明書]記載数量)
                  1 階 640.00㎡(賃貸可能面積:510.00㎡)
                  2 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  3 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  4 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  5 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  6 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  7 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  8 階 590.00㎡(賃貸可能面積:530.00㎡)
                  合計4,770.00㎡(賃貸可能面積:4,220.00㎡)
                  所有者 Z株式会社

Ⅲ.所有者 A県B市C1丁目1番1号 Z株式会

Ⅳ.類型 自用の建物及びその敷地

Ⅴ.依頼目的 売買の参考

Ⅵ.鑑定評価によって求める価格の種類 正常価格

Ⅶ.価格時点 平成21年8月1日

Ⅷ.その他の鑑定評価の条件 なし

Ⅸ..B市の状況等
1.位置等
(1)位置・面積 A県の中央部分に位置する。面積は、約24k㎡である。
(2)沿革 江戸時代までは街道沿いの村落に過ぎなかったが、明治以降、鉄道が敷設されB駅がターミナル駅になって以降、T地域の中心都市の一つとして発展してきた。

2.人口等
(1)人 口 約17万人。近年は、微増で推移している。
(2)世帯数 約8万世帯

3.交通施設及び道路整備の状態
(1)鉄 道 JR○○線及びJR△△線ががB市の市街地の中央を東西に縦断している。JR△△線がJR○○線に乗り入れている。
(2)道 路 国道○○号線がJR△△線の南方1,500m付近を東西にに縦断しており、また、B市郊外には高速道路のDインターチェンジが設けられている。その他、主要県道が敷設されており、道路網は整備されている。

4.供給処理施設の状態
(1)上水道 普及率はほぼ100%
(2)下水道 普及率はほぼ100%
(3)都市ガス 普及率は約95%

5.土地利用の状況
(1)商業施設 JR○○線及びJR△△線のB駅周辺には、著名な百貨店、商業ビルや事務所ビルを始めとして、映画館等娯楽施設などの商業施設の集積が見られる。中心商業地以外では、国道沿い等にコンビニエンスストア等が見られる。
(2)住 宅 B市はJR○○線及びJR△△線の各駅を中心に、商業施設や事務所ビルが集積し、市街地がB駅の南・北側にかけて広域的に形成されているところ、住宅は、鉄道駅の徒歩圏においては分譲マンションが多く建ち並んでおり、バス通勤圏においては一戸建て住宅が中心となっている。

6.不動産取引市場の状況
(1)不動産取引市場の状況
  近年において、事務所ビルなどの投資用不動産が、SPCに売却される等の活発な不動産投資の動きが見られたが、米国を中心とするサブプライムローンの破綻を機に、外資系投資銀行などの倒産が多く見られ、グローバル経済の下、日本の不動産取引は急速に低迷してきている。事務所ビルなどの投資用不動産のみならず実需取引であるマンションの売れ行きも悪くなってきている。今後の不動産経済の全般的な見通しについても慎重な意見が出ており、近年、上昇傾向にあった商業地の地価動向は下落に転じてきている。 当市内の商業施設においても同様な動きを示している。

(2)賃貸市場の状況
 事務所ビルについて、新築の賃貸事務所の供給が減少し、空室は徐々に埋まってきたが、最近では、立地の悪い物件や築年数の経った古い物件では空室も見られるものの、駅に近い築年数の経過していない物件はほぼ満室となっている。
 一方、賃料については、空室がさほど見られなくなった最近ではほぼ横ばい傾向にある。近年、駅に近いビルにおいてはやや強気の新規募集賃料の設定も見受けられたが、最近では落ち着きを取り戻してきている。

Ⅹ.近隣地域及び類似地域等の概要
 対象不動産の所在する近隣地域及びその類似地域等の地域的特性を略記すれば、以下のとおりである。
地域 位置
(距離は駅からの直線距離による) 
道路の状況 周辺の土地の利用状況 都市計画法等の規制で主要なもの 供給処理施設 標準的な画地規模 標準的使用
近隣地域 B駅の南方約200m~450m 幅員 25m 舗装国道 駅前のデパート、事務所ビル、店舗ビル等の建ち並ぶ商業地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 600%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
700㎡
程度 
普通商業地としての利用 
A地域 B駅の南方約470m~620m 幅員 25m 舗装国道 駅前のデパート、事務所ビル、店舗ビル等の建ち並ぶ商業地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 600%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
600㎡
程度 
普通商業地としての利用 
B地域 B駅の南西方約750m~930m 幅員 25m 舗装国道 国道沿いの事務所ビル、小売店舗等の連坦する商業地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 400%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
500㎡
程度 
普通商業地としての利用 
C地域 B駅の西方約480m~600m 幅員 12m 舗装市道 市道沿いの事務所ビル、小売店舗等の連坦する商業地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 400%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
500㎡
程度 
普通商業地としての利用 
D地域 B駅の南西方約530m~700m 幅員 12m 舗装市道 小規模な小売店舗、店舗付きマンションが混在する地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 300%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
300㎡
程度 
普通商業地としての利用 
E地域 B駅の南東方約430m~650m 幅員 15m 舗装市道 駅前商業地の背後に位置する、小規模な店舗のほかにマンション等が混在する地域 商業地域
建ぺい率 80%
容積率 300%
防火地域
上水道
下水道都市ガス
300㎡
程度 
住商混在の商業地としての利用 
F地域 B駅の南東方約580m~700m 幅員 25m 舗装国道 国道沿いの小規模な店舗のほかにマンション等が多く見られる地域
近隣商業地域
建ぺい率 80%
容積率 300%
防火地域 
上水道
下水道都市ガス
300㎡
程度 
住商混在の商業地としての利用  
G地域 B駅の東方約650m~800m 幅員 30m 舗装国道 国道沿いのマンション等が建ち並ぶ住宅地域 第一種住居地域
建ぺい率 60%
容積率 200%
準防火地域  
上水道
下水道都市ガス
150㎡
程度 
住宅地としての利用

ⅩⅠ.対象不動産、地価公示法による標準地、取引事例等の位置図
    省略

ⅩⅡ.対象不動産及び事例資料等の概要
1.取引事例等の概要
事例区分 所 在  類 型  価格時点
取引時点 
公示価格
取引価格 
数量等  価格時点、取引時点における敷地の利用の現況  道路、供給処理施設の状況  駅からの距離  備 考 
対象不動産 近隣地域 自用の建物及びその敷地 H21.8.1
価格時点
土地
800㎡
建物延床面積4,770㎡
鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所 東側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅南方約420m  - 
標準地-1 G地域  更地として  H21.1.1
価格時点
450,000円/㎡ 150㎡ 木造2階建て住宅  東側幅員30m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅東方約700m  地価公示法第6条の規定による標準地であり、利用の現況は当該標準地の存する地域における標準的使用と概ね一致する。 
標準地5-1 A地域  更地として  H21.1.1
価格時点
890,000円/㎡ 600㎡ 鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所 西側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅南方約520m  地価公示法第6条の規定による標準地であり、利用の現況は当該標準地の存する地域における標準的使用と概ね一致する。 
事例(イ) B地域  更地 H20.10.11
取引時点
472,000,000円  土地
528㎡
売却のため、空地としていた土地であった。   北側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南西方約850m  特別な事情は存在しない。 
事例(ロ) C地域  更地  H20.9.23
取引時点
200,000,000円 土地400㎡ 従前は駐車場として利用されていた。 南側幅員12m舗装市道
水道
下水道
都市ガス  
B駅西方約550m  当該土地の所有者は、マンション販売会社であるが、その資金繰りが悪化し、経営改善のために周辺の取引相場よりも安く、早期に処分したものである。 
事例(ハ) D地域  更地  H21.4.9
取引時点
515,000,000円  土地
534㎡
隣地所有者に駐車場として賃貸されていた土地である。売買に当り、賃貸借契約は解除された。   西側幅員15m舗装市道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南西方約650m  南側隣地の所有者が当該土地と併せて事務所ビルを建てるために購入したものである。取引前に単独地として不動産鑑定士が鑑定評価を行った価格よりも、その取引価格は20%高い価格であった。 
事例(二) E地域  自用の建物及びその敷地  H21.5.15
取引時点
72,000,000円  土地
100㎡
建物延床面積80㎡
木造2階建住宅   西側幅員15m舗装市道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南東方約580m  特別な事情は存在しない。 
事例(ホ) F地域  貸家及びその敷地  H21.5.8
取引時点
700,000,000円  土地
675㎡
建物延床面積1,900㎡
鉄筋コンクリート造4階建事務所   南側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南東方約650m  本件はテナントが100%入居している状態で取引された。取引に際して特別な事情は無い。
 
事例(ホ) A地域  自用の建物及びその敷地  H21.1.12
取引時点
1,550,000,000円  土地
700㎡
建物延床面積4,100㎡
鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所   東側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南方約620m  特別な事情は存在しない。
 

2.賃貸事例の概要(賃貸事例(え)は、取引事例(ホ)と共通)
事例区分 所 在  種類  賃貸時点  支払賃料等 物件の規模等 賃貸時点における敷地の利用の現況 道路、供給処理施設の状況  駅からの道路距離  備 考 
事例(あ) 近隣地域  新規賃料 H21.6.1 月額支払賃料等契約内容の詳細は[ⅩⅥ.賃貸事例の契約内容等」参照のこと。 土地 900㎡建物延床面積5,000㎡  鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所 西側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅南方約200m   契約に当って、特別の事情はない。 
事例(い) 近隣地域  新規賃料 H21.3.1 月額支払賃料等契約内容の詳細は[ⅩⅥ.賃貸事例の契約内容等」参照のこと。 土地 750㎡建物延床面積4,500㎡  鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所  東側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅南方約270m   契約に当って、特別の事情はない。 
事例(う) 近隣地域  新規賃料 H21.7.1  月額支払賃料等契約内容の詳細は[ⅩⅥ.賃貸事例の契約内容等」参照のこと。 土地 400㎡建物延床面積500㎡  鉄骨造2階建店舗 西側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス 
B駅南方約350m   契約に当って、特別の事情はない。 
事例(え) F地域  新規賃料 H20.3.1 月額支払賃料等契約内容の詳細は[ⅩⅥ.賃貸事例の契約内容等」参照のこと。 土地 645㎡建物延床面積1,900㎡  鉄筋コンクリート造4階建事務所 南側幅員25m舗装国道
水道
下水道
都市ガス  
B駅南東方約650m   土地を購入し、賃貸事務所ビルを建築し、賃貸に供された物件である。平成20年2月1日に募集を開始し、同月末日までにすべての契約を締結している。

3.取引事例等に係る建物の概要
事例区分 建築時点  建築工事費  数量等 建物構造・用途 施行の質  価格時点現在の経済的残存耐用年数 設備の良否 昇降機設備の有無 空調冷暖房設備の有無  近隣地域との適合性、建物と敷地との適応性 
対象不動産 H7.8.1 1,147,000,000円 建築面積640㎡延床面積4,770㎡ 鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所  中級 主体部分31年設備部分1年  普通 あり  あり 環境と適合し、敷地と適応している。
事例(ニ) H8.1.1 12,000,000円 建築面積40㎡延床面積80㎡ 木造2階建住宅 中級 主体部分16年設備部分1年  普通 なし  なし 環境と不適合で、敷地とも不適応である。
事例(ホ)  H19.10.7 342,000,000円 建築面積515㎡延床面積1,900㎡  鉄筋コンクリート造4階建事務所   中級 主体部分43年設備部分13年   普通  あり  あり 環境と適合し、敷地と適応している。 
事例(へ) H18.2.1 943,000,000円 建築面積560㎡延床面積4,100㎡  鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所  中級 主体部分42年設備部分12年   普通 あり  あり 環境と適合し、敷地と適応している。 
(注1)鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造においては、建築工事費に占める主体部分と設備分の割合は70:30である。木造建物においては建築工事費に占める主体部分と設備分の割合は80:20である。
(注2)価格時点において事例内容を調査した結果、建物の減価の程度はいずれも概ね経年相応である。

4.建設事例の概要
事例区分 所在 建築時点  建築工事費  数量等 建物構造・用途 施行の質  価格時点現在の経済的残存耐用年数 設備の良否 昇降機設備の有無 空調冷暖房設備の有無  価格時点における建物の面積以外の個別的要因に係る評点(注1)
事例a 近隣地域 H18.3.1 490,000,000円 建築面積500㎡延床面積2,400㎡ 鉄骨鉄筋コンクリート造8階事務所 中級 主体部分45年設備部分15年  普通 あり  あり  100
事例b A地域  H18.6.1 369,000,000円 建築面積400㎡延床面積1,800㎡  鉄骨鉄筋コンクリート造8階事務所 中級 主体部分45年設備部分15年   普通 あり  あり  100
事例c B地域  H19.7.1 246,000,000円 建築面積500㎡延床面積1,200㎡  鉄骨造4階建店舗 中級 主体部分30年設備部分15年   普通 なし  あり  95
事例d D地域  H18.6.1 370,000,000円 建築面積700㎡延床面積1,900㎡  鉄骨造3階建事務所 中級  主体部分30年設備部分15年   普通  あり  あり  95
(注1)対象不動産に係る建物を100として比較した場合の評点である。
(注2)いずれも建築工事費に占める主体部分と設備部分の構成割合は、70:30である。
(注3)いずれの建築工事費も特別な事情が存在しない標準的な建築費である。

ⅩⅢ.地価指数、標準建築指数及び賃貸事務所の新規賃料指数の推移
 B市における商業地の地価指数、事務所ビル(鉄骨鉄筋コンクリート造)の標準建築費指数、対象不動産と構造、規模、用途等が類似する同一需給圏内の賃貸事務所の新規賃料指数の推移は、次のとおりである。なお、平成21年1月1日以降の動向は、平成20年7月1日から平成21年1月1日までの推移とそれぞれ同じ傾向を示している。
区分  地価指数          標準建築費指数  賃貸事務所
の新規賃料指数 
地域
年月日
近隣地域 A地域 B地域  C地域  D地域  E地域  F地域  G地域    
平成7.1.1                  100  
8.1.1                 98.5  
9.1.1                 98.1  
10.1.1                 95.7  
11.1.1                 93.5  
12.1.1                 91.6  
13.1.1                 90.4  
14.1.1                 88.1  
15.1.1                  85.3  
16.1.1                 83.8  
17.1.1                 83.0  
18.1.1  100 100 100 100 100 100 100 100 83.2 100
18.7.1 99 99 99 99 99 99 99 99 83.5 98
19.1.1 98 98 98 99 99 98 98 98 84.0 97
19.7.1 98 97 97 98 98 98 98 98 84.7 96
20.1.1 100 99 99 100 100  100 101 101 85.5 96
20.7.1 99 99 99 99 99 99 99 99 86.5  96
 21.1.1  97 97 97 97 97  97 97 97 90.0  96
(注)鉄骨造又は鉄筋コンクリート造の事務所ビルの標準建築費指数も、事務所ビル(鉄骨鉄筋コンクリート造)と同様の変動であった。

ⅩⅣ.地域要因及び土地の個別的要因の比較
事例等 対象不動産  標準地-1  標準地5-1  事例(イ)  事例(ロ)  事例(ハ)  事例(二)  事例(ホ) 事例(ヘ)
地域
比較項目
近隣地域 G地域  A地域  B地域  C地域  D地域  E地域  F地域  A地域 
地域要因に係る評点(地) 100 45 98 95 85 88 66 70 98
個別的要因に係る評点(個) 100 100 100 100 100 100 103 106 100
(注1)地域要因に係る評点(地)の比較については、近隣地域の評点を100とし、他の地域は近隣地域と比較してそれぞれの評点を付したものである。
(注2)個別的要因に係る評点(個)の比較については、それぞれの地域において標準的と認められる画地の地積以外の評点を100とし、これとs取引事例に係る土地等とを比較し、それぞれの評点を付したものである。

ⅩⅤ.賃対事例の地域要因等の比較
事例等
補正項目
対象不動産
(基準階)
賃貸事例(あ)  賃貸事例(い)  賃貸事例(う) 
地域要因に係る評点(地) 100  100  100  100 
個別的要因に係る評点(個) 100  102  102  120 
(注1)賃貸事例の要因比較については、対象不動産(基準階)の評点を100とし、賃貸事例(あ)~(う)と比較して、それぞれの評点を付したものである。
(注2)地域要因に係る評点(地)は、賃貸事例等の存する地域の地域要因に係る評点を示している(必ずしも、、不動産取引における土地の地域要因に係る評点とは一致しない。)
(注3)基準階の建物品等に係る評点(品)は、基準階賃料に影響を与える建物品等の格差を示している。

ⅩⅥ.賃対事例の契約内容等
 賃貸事例が存する地域における標準的な賃貸借の条件は、以下のとおりである。

①支払賃料は、毎月末にその月分を支払う。
②賃貸借に当って授受される一時金は、預り金的性格を有する敷金のみである。標準的な敷金の額は、事務所にあっては月額支払賃料の6ヶ月分、店舗にあっては同じく12ヶ月分であり、売買に当って承継される。なお、以後の契約の更新においては、更新料等いかなる名目においても一時金の授受はない。また、同じく駐車場にあっては、預り金的性格を有する敷金のみであり、標準的な敷金の額は、月額使用料の1ヶ月分である。
③敷金は、賃貸借契約を解除したときは直ちに全額返済されるが、利息は付さない。
④共益費については、別途実費相当額を支払う。
⑤事務所の階層別効用比は、1階の事務所は120、2階(基準階)以上の事務所は100が標準である。
⑥契約期間は2年、契約の形式は書面によるものが一般的である。
⑦各テナントとの契約は、いわゆる普通借家契約であり、契約更新時に支払賃料等の改定協議を行うこととなっている。
賃貸事例の個別的な賃貸借の条件は、以下のとおりである。

1.賃貸事例(あ)
 近隣地域内に所在する。鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所の2階部分。平成18年3月に竣工。
 賃貸人:G生命保険相互会社
 賃借人:H株式会社
 賃貸時点:平成21年6月1日契約。
 月額支払賃料:470,000円、敷金の額は月額支払賃料の6か月分。契約面積230㎡
2.賃貸事例(い)
 近隣地域内に所在する。鉄骨鉄筋コンクリート造8階建事務所の6階部分。平成19年5月に竣工。
 賃貸人:I生命保険相互会社
 賃借人:J株式会社
 賃貸時点:平成21年3月1日契約。
 月額支払賃料:513,000円、敷金の額は月額支払賃料の6か月分。契約面積250㎡
3.賃貸事例(う)
 近隣地域内に所在する。鉄骨造2階建店舗の1階部分。平成17年4月に竣工。
 賃貸人:K
 賃借人:L株式会社
 賃貸時点:平成21年7月1日契約。
 月額支払賃料:690,000円、敷金の額は月額支払賃料の12か月分。契約面積240㎡
4.賃貸事例(え)(本物件は、取引事例(ホ)と同一物件である。)
 F地域に所在する。鉄筋コンクリート造4階建事務所。
 賃貸人:M
 賃借人:N株式会社
 契約条件等 
階層   用途  賃貸面積     契約期間 月額支払賃料    敷金 
 4階  事務所  450㎡ H20.3.1~H22.2.28  1,060,000円 6,300,000円 
 3階  事務所  450㎡ H20.3.1~H22.2.28   1,060,000円 6,300,000円 
 2階  事務所  450㎡ H20.3.1~H22.2.28   1,060,000円 6,300,000円 
 1階  事務所  450㎡ H20.3.1~H22.2.28   1,060,000円 6,300,000円 
 平面駐車場が5台分あり、月額使用料20,000円/台、敷金の額は、月額使用料の1ヶ月分で賃貸されている。また、本件不動産の賃貸運営に係る総費用(年額)は、10,000,000円(減価償却費相当額を含まない。)である。なお、賃貸事例(え)は、平成21年5月8日に取引金額700,000,000円でテナントが100%入居した状態で売買された。取引に際して特段の事情はない。

ⅩⅦ.対象不動産の建築工事費について
 対象不動産は、平成7年8月1日に竣工した。建築工事費は、全体で1,147,000,000円かかった(当該建築工事費は、特別な事情が存在しない標準的な建築工事費である。)。

                                                            以上

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